勧められての退職金資産運用はダメ!

雑記

まず、リタイアした方に最初にお知らせしておくべき非常に重要な情報を記載します。
定年退職のすぐ後に「勧められての退職金の資産運用」は絶対にやってはダメ!というお話です。

日本人の年齢別貯蓄額に違和感がある理由

「日本の貯蓄額の年齢別平均」という情報を時々メディアで見ることがありますが、私はいつもそれに違和感がありました。 どんな違和感かというと、自分の実感と大きく異なるという感覚です。

まずは「年齢別の平均貯蓄額」などのキーワードでインターネット検索をしてみてください。
それらの情報はおおむね、下記のような数字になっていると思います。

20代 平均貯蓄額は 150万~ 170万円
30代    ↑   400万~ 550万円
40代    ↑   650万~ 700万円
50代    ↑  1050万~1200万円
60代    ↑  1400万~1650万円
70代    ↑  1250万~1350万円

「え~!? 自分の貯金はもっと少ないのに平均ってこんなに多いの!?」
というのが普通の庶民感覚ではないでしょうか?
特に60代以後が妙に小金持ちという感じに見えて、いつもこれに違和感がありました。

60代と70代の貯蓄が多いのは「老後への貯え」プラス「定年退職金」だった

自分が定年近い年齢になって、定年退職の準備をしていて気が付きました。
50代で貯金が増え始めるのは「老後の生活費を貯える必要性に気付いて貯金を始めるから」であり、そして、60代から急に貯蓄額が多くなるのは「定年退職金」が加わるからです。
退職金の平均支給額は1700万円程度という統計もあり※、60代の平均貯蓄額が1400万~1650万円というのは、おかしな値でも何でもないということが分かります。

※「退職金の平均支給額は1700万円程度」は2018年頃の値で、毎年減額される傾向にあり、
  15年前の2003年頃は平均が2500万円だったそうです。

退職金の運用について友人たちの2大パターン

「退職金が出たので、金融商品を購入して資産運用をしたい」と考える人はかなり多いようです。
テレビコマーシャルなどで、老齢の銀髪の紳士が「資産を子供に残したい云々」と証券会社の方や銀行の方に相談する様なものが良くありますね。
いわゆる「金融商品」を売る側にとっては、こういった「一時的に大金を手に入れた方」というのは当然ターゲットとなる客層です。

私の友人などに聞いてみた例ですが、それまでのサラリーマン時代に「金融商品」などというものを購入したことがない人が、いきなりこれまで所有したことがない額の貯金を持つと、その後の行動は大きく二つに分かれます。

  1. いよいよ自分も投資ができる様な年齢になった!と考えて、やってみようかと考える。
  2. 金融商品などを買って貯金や退職金を減らしてしまった知人の話などを聞いていて、
    金融商品を警戒し、元本保証型貯蓄一本やりになる。

2番目の方の「投資ってのは、なんか危ないぞ」派の場合、銀行の定期預金などを利用することになりますが、銀行預金では利率が良くても0.02%程度で、ほとんど運用益は出ませんね。
ただこのパターンの良い点は、貯金が大きく増えることはないけれども、減らすこともないという、リスクヘッジが出来ている点です。

「カモがネギを背負っている」状態

1番目の方の「いよいよ私も資産運用ができる年齢になったのか」とい方、これは非常に危ないですね。 
この人たちは、いわゆる「カモがネギを背負っている」状態の人です。

若い時期から資産運用をコツコツやってこられた方は、どういう金融商品を買って良いのか良く分かっておられるので良いのですが、定年退職まで投資なんてしたことがないという方は、特に気を付けましょう。

お家のリフォームの際に、慌てて業者を選ぶと「ぼったくり」業者に相場より高いお金を払うことになりやすいのと同様に、定年退職直後に退職金を資産運用したい方は、自分が「カモネギ」であることを自覚していただき、決して資産運用に興味があるなどと他人に話さない様にし、特に「営業マンが勧める金融商品」には絶対に手を出さないようにしましょう。

以下にその理由をご説明いたします。

60歳代での1400~1650万円の貯蓄には、余剰資産が含まれるのか?

では60歳代での平均の1400~1650万円の貯蓄って、資産運用リスクを取れる余剰資産なのかについて見ていきましょう。

以前話題になったので記憶されている方が多いと思いますが、”老後2000万円問題”という話題がありました。
金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」が公表した報告書で、次のようなケースについて検討されて、年金受給のみでは2000万円不足する場合もある、というお話でした。

  • 夫65歳、妻60歳の時点で夫婦ともに無職で年金生活という前提とする。
  • 30年後(夫95歳、妻90歳)まで夫婦ともに健在という前提とする。
  • このケースの世帯の年金収入は21万円弱であるが、
    このケース同様の世帯の平均的な支出は26万3千円強なので、毎月約5.5万円の赤字。
  • 30年トータルでは、5.5万円 × 12か月 × 30年 ≒ 1980万円の赤字 

つまり、65歳で定年退職後に年金収入のみで生活した場合に、この様な世帯の平均的な暮らしぶりである毎月の支出が26万円強程度の生活を、もし30年間ずっと続けるとした場合には、
2000万円程度の貯えがあったほうが良いですよ、という程度のお話です。 

この話題が出た時には、結論の「2000万円不足」のみが独り歩きし、「年金受給のみでは、生活ができない」という検討結果であるかのような誤解を生んで、大騒ぎとなった印象でした。

実際には、貯えのない方が支出赤字のまま生活するという前提が現実的ではなく、貯えがなければなんとかして受給額の21万円以下で生活する様に工夫することでしょうし、さらには、老齢になるほど質素な暮らしぶりとなり支出が減っていくと考えられ、このケースの様にならないのは当たり前ですので、むやみに恐れる必要はありません。

一方で65歳から95歳まで健康でいられることについてはレアケースであり※、病気になった時への対処のための予備資金は必ず必要になるので、これについても別に用意しておかねばなりません。
※日本人の平均寿命は女性87.4歳、男性81.4歳ですが(2019年情報)、
 平均的な健康寿命は女性74.8歳、男性72.1歳です(2016年情報)。

この話題でわかることは、60代での平均貯蓄額が1450~1700万円というのは、平均的な暮らしをしていく上で必要な貯蓄であり、余剰資産をほとんど含まないということです。

つまり、60代での平均貯蓄額が1450~1700万円というのは「資産運用で多少は減らしちゃってもマァ良いか・・・」という性質の余剰資産などではなく、生活費と医療費以外の用途で減らしてはいけない資産なのです。

資産運用にあたっては、その資産がどの程度のリスクを取れる資産であるかをあらかじめ検討することが非常に重要であり、投資などの資産運用には必ずある程度のリスクを伴うことを理解しておくことが大切です。

営業マンが売る金融商品には必ず営業コストがかかる

さて、先ほどの1番目の方の「いよいよ私も資産運用ができる年齢になったのか」という方が、「営業マンが勧める金融商品」に手を出すべきではないという話題に戻ります。
なぜ「営業マンが勧める金融商品」に手を出すべきではないのか、理由は2つあります。

「営業マンが勧める金融商品」には、商品単独では良いものも稀にはあるかもしれませんが、
営業マンが販売している時点で「手数料」が高いことは間違いがないからです。

イデコ(iDeCo、個人型確定拠出年金)などで金融商品の運用を経験したことのある方は知っていることですが、銀行あるいは証券会社によって、運用手数料はかなりの差があります。
では手数料が非常に少ない銀行または証券会社を探すと、どういうケースかということですが、それは「インターネット型証券会社」であり、つまり「営業マンが商品を売るような形態ではない」ことが分かります。

これは、その営業マンや、営業マンのいる支店の経営にお金が要るからであって、考えてみれば当たり前のことですね。

投資経験のない方が営業マンのトークに左右されずに良い金融商品を選ぶのは最も難しい買い物の仕方

さらに、これまで投資経験のない方は、ただでさえ知識不足の上に、営業マンの上手な営業トークにコロッと参ってしまいやすく、金融商品を適切に見定めることが非常に難しい状態で購入することになりがちです。
ただでさえ難しい投資などの金融商品の選択に、営業トークという”雑音”を聞かされながら、
営業マンが出してくる情報のみによって良い金融商品を選ぶことは、ほぼ不可能と言ってよいと思います。

というわけで、「退職金で資産運用をしてみたい」と思った方が、兎にも角にもまず気を付けるべきことは、当たり前のことでたいへん恐縮ですが、
営業マンに勧められての退職金資産運用は絶対にやってはダメ! ということです。

では、どうするの?

では、どうしても「投資」をしてみたいという方や、少しでも貯えを増やしたいという方は、どうしたらいいの?ということですが、その場合には次のことにご注意ください。

  • 生活費分を取り除いて「運用で減ってしまっても心が痛まない」金額のみで資産運用を行う
  • 営業マンを介さないネット型証券会社を使う。 店舗型の会社は利用しない。
  • ごく小額から投資の練習を始める。

先ほどの”老後2000万円問題”のケースの世帯で言えば、下のようなイメージになります。

  • このケースの世帯の年金収入は21万円弱であるが、
    この世帯の平均的な支出は26万3千円強なので、毎月約5.5万円の貯金を切り崩す。
  • この26万円3千円の生活費をできるだけ倹約して、なんとか23万円以内で生活する。
  • 毎月出る余剰資金(このケースでは3万3千円)を投資として積み立てる。

このように運用していけば、必要な貯蓄を投資で減らすことはありません。

もちろん、最初から毎月23万円で生きていくと決意し、毎月生活に補填する金額を2万円と決め、
2万円 × 12か月 × 30年 ≒ 720万円 を除く貯金はすべて一気に投資するという方法が、計算上では運用益が最大になりますが・・・・。
これをやるには、よほど投資に慣れて、決して失敗しないという確信が必要であり、
これまで投資をしたことがない人には、まったく不可能です。
また、もし万が一失敗した場合には、最低限の生活費しかなく病気の際の貯えすらない暮らしをずーっと続けていくことを最初から覚悟しないといけませんね。
私はこれには耐えられそうにありません。

年間40万円以下程度の少額資産運用に良い方法は?

毎月、少額ずつの資産運用でお勧めなのが、雑記「定年退職前にやっておくこと」でも書きましたが、「つみたてNISA」(年額40万円以下で20年間のつみたて資産運用)あるいは「NISA」(年額120万円以下で5年間のつみたて資産運用)を、営業マンを介さないで行う投資方法です。

ただし「営業マンが勧めるつみたてNISA口座」というものもあり、「営業マンが売る商品」イコール「手数料を取る商品」であることは間違いなく、「つみたてNISA」であれば何でもよいということではありません。

「つみたてNISA」を行う証券会社や銀行でも、手数料が無料の会社もあれば、手数料を取る会社もありますので、手数料が無料(あるいは極少額)の会社で行う「つみたてNISA」あるいは「NISA」が良い、ということです。

「つみたてNISA」については、最近は様々な書籍が出ていますので、是非それらでまず知識を蓄えてから実行なさってください。

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