フライパンを使って庭やキャンプでコーヒーの自家焙煎

ひまつぶし/Try out

庭やキャンプで出来るフライパンとバーナーを使ったコーヒーの自家焙煎の方法を解説します。
いつでも薫り高いコーヒーを安価で飲めるようになるノウハウです。

コーヒー自家焙煎のメリット

コーヒーの自家焙煎のメリットは何でしょうか? 以下の3つが大きなメリットです。

  • 薫り高いコーヒーが、いつでも飲める。
      焙煎直後や焙煎後1週間以内のコーヒーは、香りが強くて非常においしい!
  • 薫り高いコーヒーを、安価に飲める。
      毎日コーヒー専門店に通うのはちょっと経済的ではないですよね?
      ローストされたコーヒー豆を買うのも、それなりにお高くつきます。
      でも、コーヒーの生豆って、かなり安価なので、非常に経済的なのです。
  • 自分好みのローストに出来る。
      好みのコーヒー豆とロースト具合で煎りたてコーヒーが飲めるのは最高ですが、
      これを得られるのは、お金持ちの方と、自家焙煎できる方だけですね。

コーヒー自家焙煎の問題点:チャフ掃除と煙と匂いの対策が必要

ご自宅でコーヒー焙煎を行う場合の問題点はなんでしょうか?

焙煎の際には「チャフ」と呼ばれるコーヒー豆の薄皮が剥がれて焦げた粉末が周りに飛散しますので、キッチンで行う場合は、焙煎後にもれなくキッチン周りの掃除が必要になります。

焙煎の後半では、もうもうと煙が出ることが多く、焙煎特有のコーヒー豆の強い匂いも出ます。
コーヒーの良い匂いがほどよく香る程度であれば良いのですが、チャフが焦げる匂いが混じるので、かなり強い匂いであり、かつ焦げ臭くもあります。

このチャフと煙と匂いのため、家族から強い苦情がでるので、我が家の場合、キッチンでの焙煎は行うことができません。

コーヒーの自家焙煎は、チャフや煙や匂いへの苦情が出ないような、広いお庭や、キャンプ場などで行うのがお勧めです。

コーヒー焙煎の道具

コーヒーの焙煎というと、普通は下の画像のような、専用の焙煎かごを使って行うイメージがあると思います。 
こういう専用品がご用意できる方は、もちろんこれを使った方が焙煎作業はやりやすいと思います。

上の画像のような専用品は、自宅でご使用の場合には、そこそこコンパクトではあるのですが、
キャンプ用品として持っていくには、ちょっとカサばりますね。 
また付属のアルコールランプとか固形燃料では、火力が弱い上に火力調整もやりにくく、焙煎に時間がかかりますので、キャンプ用のシングルバーナーやカセットバーナーなどと組み合わせた方が、焙煎がしやすくなります。

キャンプ場などでは、下記のような閉じた容器型のモノもよく使われます。

または、豆や銀杏などを煎るための豆煎り網なども使われます。
煎り網の場合は、ガソリンバーナーや強い匂いの出る固形燃料(エスビットの固形燃料とか)などのバーナー類を使うと、燃料臭がするかもしれないので、燃料の選択には気を付けた方が良いですね。

さて、これら焙煎専用の道具を使わなくても、すでにどなたでも持っている「フライパン」でもコーヒー豆の自家焙煎は可能です。 
おそらくキャンパーさんであれば、鉄のフライパンとか、スキレットとか、ダッチオーブンなどはお持ちでしょうから、それらを使えば、自家焙煎は可能です。

また、フライパンやスキレットなどの道具であれば、燃料からの臭い移りもしませんから、どんな燃料でも使うことができます。

ということで、だれでも持っているであろう「フライパン」と「カセットガスコンロ」や「キャンプ用バーナー」を使った、コーヒーの自家焙煎の方法をご紹介します。

コーヒーの生豆の購入

自家焙煎のためにはコーヒーの生豆が必要ですが、これが意外と、近所のスーパーやコーヒー店などでは売っていません。

私はアマゾンや楽天市場などのネット通販で購入しています。

焙煎ずみのコーヒー豆は、有名ブランドのコーヒー豆だと250gで1000円程度で売られています。 焙煎のプロが良い豆を選び、工程を管理して焙煎したものですから、非常に美味しいですよね。

焙煎済みのコーヒー豆でお買い得な価格帯のものは、500gで550円~650円程度、1Kgだと1300円程度、2Kgで2500円~3000円程度の価格です。

ご自宅では自家焙煎の環境がないという方で、豆の種類には拘らずに、安くコーヒーを味わいたいという場合は、これらのお買い得なコーヒー豆もお勧めのひとつです。

コーヒーの生豆はというと、当然コーヒー豆の種類によってピンからキリまでありますが、お買い得な価格帯のものであれば1Kgで1200円程度で入手できまし、ちょっと良い豆を選んでも、1Kgで2000円とか3000円程度で入手可能です。

フライパンを使ったコーヒー自家焙煎の動画

まず、YouTubeにアップロードしたコーヒーのフライパン焙煎の方法の動画リンクを掲載しておきます。

フライパンでコーヒーの自家焙煎

、、

上の動画と同じ内容なのですが、文字と写真で、コーヒーのフライパン焙煎のやり方を説明いたします。

生豆の計量

コーヒーの生豆が入手できましたら、焙煎したい分量を計量します。

1回で焙煎する量は、ご自身が何日おきくらいで焙煎するおつもりかによって変わりますが、常に薫り高いコーヒーを飲みたいということであれば、だいたい1週間で飲む量が良いと思います。

もちろん、喫茶店やコーヒーショップのように、毎日焙煎することが面倒でない方は毎日行っていただくのでも構いませんが、仕事として行うのでなければ、毎日はちょっと面倒ですね。

1週間程度であれば、薫りが継続しますし、1週間に1度程度の焙煎であれば、あまり面倒ではないでしょう。

また、焙煎を始めた当初は、ローストの具合を自分の好みに合わせられないでしょうから、ある程度習熟するまでは、数日に1回程度やってみた方が、習熟が早いと思います。

1日に2杯程度コーヒーを飲むとして、1週間分の分量とは、だいたい市販のコーヒー豆の1袋分である200g~250g程度が適量です。

また、一度に焙煎する量によって、たとえば200g程度の場合と、倍の400g程度の場合とでは、火力や撹拌の具合が変わってきますから、慣れるまでは、いつも同じ分量の豆を焙煎した方が、早く上手になることができます。

ハンドピック(不良豆の取り除き)

生豆を購入した場合で、1Kgとか2Kgとかのお買い得価格の生豆の場合、たいていは豆の選別がされていない状態だと思います。

計量した生豆を、トレーなどに広げて、不良豆を取り除く作業を「ハンドピック」と言います。
Hand-Picking、手作業で不良豆をピックアップすること、ですね。

不良豆とは、以下のようなものです。

  • 青くカビた豆:豆の窪みあたりに青いカビがびっしり付いているので、青色に見える豆です。
  • 虫食い豆:生豆の状態で虫が食ったような黒い穴が空いている豆です。
  • 欠損した豆:豆が砕けて小片となったものです。焙煎で熱が入りすぎ、焦げ臭くなります。

ハンドピックは面倒くさそうに思うかもしれないですが、慣れると20~30秒程度、あるいはそれ以下で行うことができます。

ほんの少量の不良豆を取り除き損ねたとしても、味にそれほど大きな影響はないので、もしお店を出すという事ではなくて自分用に焙煎するのであれば、気になる不良豆を取り除けばよいという感じで充分です。

生豆のすすぎ

コーヒー生豆を焙煎する際に、生豆をそのまま焙煎する方と、焙煎前に水洗いまたはお湯洗いをする方に、おおきく流儀が分かれます。

これは、お米を炊く場合やリゾットやピラフなどの料理の手順においても、お米をすすぐ日本流と、お米をすすがないでいきなり炒めたりする方法があるのと同じであり、どちらがお好みの味になるかで決めていただいた方が良いですね。 

生豆をすすがない方が好みの方は、いきなり次の焙煎作業へ進んでください。

生豆は、そのままだとかなり青臭い匂いがしますので、私の場合は焙煎前にすすぐ方が好みです。

また、自宅などで行う場合で、給湯器などから50℃程度のお湯が簡単に得られる場合は、すすぎがより簡単になるので、50℃程度のお湯を使った方が良いと言われています。
キャンプなどでお湯が得にくい場合などでは、水ですすいでも、まったく問題ありません。

一方で、煮えたぎったお湯を使う場合は、生豆が煮えてしまいますので、お湯を使う場合は煮えない様に50℃程度までとしてください。

まず、計量した生豆を、50℃程度の湯または水に、まず10分ほど浸漬します。
これは、多少は生豆の表面に浸漬させた方が効果が高いためで、10分待つのが面倒であれば、そのまますすいでもらっても構いません。

10分程度浸漬すると、お湯または水が緑色に濁ることが分かりますが、これが生豆特有の青臭い匂いのもとだろうと思います。 まず、このお湯または水を捨てます。

この後は、お米をすすぐのと同じ要領で、お湯(50℃以下)または水を使って、手でかき混ぜてすすいでから、汚れた水を捨てる、という作業を5回程度くり返し行います。

すすいでいると分かりますが、この時点で生豆の薄皮がドンドン剥がれて出てきます。
薄皮は際限なく取れてきますので、薄皮が出なくなるまですすぐのは、あきらめましょう。
(もちろん挑戦していただいても構いませんよ!)
お湯または水が、緑色に濁らなくなったら、すすぎ作業は完了です。

フライパンとバーナーと撹拌用ヘラを持って庭へ

次は焙煎作業です。 生豆をすすがない流儀の方は、ここからスタートになります。

フライパンやスキレットなどを使う場合は、中華鍋風にパンを振り回すのはやたらに疲れますから、豆の撹拌にはヘラを使います。

焙煎カゴを使う場合は焙煎カゴを振りながら焙煎しますが、この場合は匂いの出る燃料は使わないようにしましょう。 コーヒーに燃料臭が移ってしましますので。

すすぎ作業をやっても、薄皮の焦げた「チャフ」はそれなりに出ますので、焙煎作業は屋外がお勧めです。


生豆が濡れたままで焙煎開始 ⇒ いちはぜまで

すすぎ作業で生豆が濡れたままでも焙煎を始めて問題ありません。
濡れている程度であれば、焙煎の火力で、豆が煮える前に乾きます。

火力調整は、カセットガスコンロやキャンプ用のCB缶ガスバーナーのガス燃料では火力がやや弱めなので、最初は強火で構いません。

下の様なガソリンバーナーを使う場合は、かなり火力は強めなので、強め中火程度で行います。

火力の目安は、8分から10分程度で次の「いちはぜ」が起きるような程度が良いとされています。
焙煎がうまくいくかどうかは、ほとんどこの火力設定で決まります。

「いちはぜ」とは、「パチン、パチン」と生木を燃やした時にするような音のことで、木の中の水分が水蒸気になって一気に膨張してはぜるときの様な音です。

「いちはぜ」が起きているとき、生豆の内部温度が100℃程度になっているそうで、
つまり、10分で生豆内部が100℃になる火力というのが目標です。

この程度の火力だと、生豆を撹拌しないでいると、フライパンに接している豆がドンドン焦げていきますので、濡れた生豆を炒め始めたら、最初からずっと撹拌を続け、焦げない様に注意しましょう。

もしも火力が強すぎる場合は、撹拌していてもフライパンに接している生豆が焦げていき、豆全体に茶色の焼き色が付く前に、焦げた豆と緑色の生豆が混ざっているような状態になるので、このような場合はもう少し弱めの火力に調整しましょう。

もしも火力設定が弱すぎる場合は、10分経っても「パチン、パチン」という「いちはぜ」の音がせず、無音のままで黙って茶色くなっていきます。
「いちはぜ」が起きずに茶色くなっていくと、堅くて干からびたコーヒー豆になってしまい、コーヒーの美味しさが出ません。 このような場合はもう少し強めの火力に調整しましょう。

「いちはぜ」までの最適な火力設定は、生豆の量、使う焙煎道具(フライパン、スキレット、専用焙煎器具)、使う燃料とバーナーによっても変わるので、これらの条件は、なるべく毎回同じに揃えた上で、火力のみを調整する方法が、焙煎の具合をはやく習熟するコツになります。

道具と生豆量を一定にしたうえで、どの程度の火力にしたら8~10分で「いちはぜ」になるか、火力調整をいろいろ試してみてください。

にはぜ ⇒ 焙煎完了まで

8~10分程度で「いちはぜ」が起きる火力が、「いちはぜ」までの適切な火力ですが、「いちはぜ」が始まったら、ほんの少し火力を弱めた方がローストの度合いのコントロールがしやすくなります。

でも、火力を弱めすぎると「いちはぜ」の音が止んでしまいますので、「いちはぜ」が継続できる程度に弱めた火力で、撹拌しながら煎っていきましょう。 

すると今度は「パチン、パチン」ではなくて「ピチッピチッ」という高い音に変わりだします。

この「ピチッピチッ」という音を「にはぜ」と呼びます。
これはおそらくコーヒー豆の中の脂分が出る音なのでしょうけれど、この音が出ている時に、コーヒー豆の味が作られていくように思います。

この「にはぜ」が始まってしばらくすると、にはぜ音とともにコーヒー豆から、もうもうと煙と水蒸気とが立ち上り始めます。

浅煎りの焙煎としたい場合は、ここで焙煎を止めます。

深煎りが好きな方は、どの程度で焙煎を止めたらよいか、この後の豆の色味を見て決めます。

もうもうと出る煙は、コーヒー豆の中の脂分が焦げたり揮発したりして出るものでしょうから、あまり長く煎りすぎると、脂が干からびて焦げ臭いだけの味になりますので、注意しましょう。

自分好みの色合いまで焙煎したら、焙煎を止めて、ざるなどの上に広げて、豆を冷ましましょう。
豆を冷まさないで塊のままで放っておくと、外気で冷やされない部分の豆はどんどん焙煎が進んでしまい、自分好みよりもさらに深煎りになってしまいますし、外気に接した場所の豆と、豆の中に埋まった豆とで、ローストの具合が異なってしまいます。

豆を冷ましたら、焙煎完了ですので、コーヒー缶に入れて、せっかくの薫りがとんでしまわない様に保管しましょう。

焙煎直後の豆でコーヒーを入れると、非常に新鮮な薫りで非常に美味しいコーヒーがいただけます。
また、玄人の方がおっしゃるには、焙煎して1日たったコーヒーが最も美味しいのだそうです。

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